治療か?仕事か?優先すべきは【不妊治療で休職▶退職した話】

こころのケア
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こんにちは、みみほこです!

先の見えない不妊治療、頻繁に仕事を休むスケジュール管理の難しさや周囲への理解を得ることが難しく迷惑をかけている心苦しさ

だからといって、多額な治療費がかかる不妊治療では仕事を辞めることも出来ずストレスは溜まるばかり。

そんな両立の難しさに思い悩んでしまいますよね。

みみほこ
みみほこ

現状を考えれば辞めた方が良いのは分かるけど、治療費のことを考えたら辞められない。
もしかしたらスグ妊娠できるかもしれない。育休産休は取れるようにしておきたい・・・

急に仕事を休むことが難しい。
それでもカミングアウトはしたくない。


今回はこういった悩みに私がどう乗り越えたのかお話していきます!

この記事を書いている私は約2年半人工授精や体外・顕微受精などの不妊治療をしています。

働き盛りの20代を、不妊治療のために退職するまでの心の葛藤。

治療と仕事のプレッシャーで心がつかれた話。

本記事では、「不妊治療と仕事を両立する難しさ」「両立出来なかった私の話」をお伝えしていきます!





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不妊治療と仕事の両立は難しい




国内での不妊治療経験者は夫婦5.5組に1組と年々増加し、日本産科婦人科学会が発表した調査では2019年の体外受精児は14人に1人という過去最多を記録しました。

この統計から言うと、学校1クラスのうち6人は両親が不妊治療を経験し、2人は体外受精を経て誕生していることになります。

不妊治療はとてもデリーケートかつパーソナル故、表に出ることはあまりありませんがとても身近なものであるといえます。

みみほこ
みみほこ

普段暮らしている中で不妊治療患者と出会うことは不妊治療経験者の私さえ経験が無いです



ここまで不妊治療が身近になっているにも関わらず、世間の認知向上は未だ乏しく、肩身の狭い思いをされている方も少なくありません。

不妊治療患者にとって、治療を続けるには多くの課題があります。

  • 高額な治療費
  • 治療と仕事の両立
  • 精神的、身体的負担
  • 周囲の理解不足



高額治療費はもちろんのこと、生理周期や卵胞、内膜の育ち具合などに左右される不妊治療では通院回数や通院日の目処がつきにくくスケジュール管理が難しいため仕事との両立が困難です。

そのため、「退職」という決断をする女性も少なくありません。

その数なんと、約4人に1人。

不妊治療をする女性の4人に1人はやむを得ず退職しているのです。

みみほこ
みみほこ

職種や職場によるとはいえ、遅刻や早退、急な休みは周囲へ迷惑がかかってしまい心苦しい。


近年、こういった不妊に悩む夫婦に向け経済的負担の軽減だけではなく、「不妊治療を受けやすい職場環境整備に向けた今後の取組方針」が組まれ、検討が続けられていますが改善していると感じられるのはまだまだ先では・・・と個人的には思っています。


私の取り巻く環境


私は新卒で愛知県のとある中小企業に就職をしました。

表向きは一見憧られるようなおしゃれな職種で、出張は多かったものの、遅刻早退、急な休みも取りやすく、治療を続けるにはとても良い職場環境でした。

ただ問題だったのは、昭和な古い体質の企業であったこと。

上司からの冗談交じりのセクハラ発言、休日が少なく薄給で、仕事をこなせばこなす程頑張る人が損をする、若手が育たない、驚くほどアナログで、残業手当が付くようになったのは入社3年目からでした。

みみほこ
みみほこ

結婚の報告時には「困るから避妊してね」なんて言われて本当に気持ち悪かった



こんな企業でも働くママには恩恵も大きく、前述の通り休みが取りやすく、また時短勤務も充実していたので、「家庭のプラスオンで働くには丁度よい」と考える女性社員も多くいました。

私もその一人で、近い将来のためだけに毎日我慢をしている。

そんな日々を送っていました。

異動


そんな入社4年目、上司の度重なるミスによる仕事の尻拭いで嫌気が差し、面談で相談したところ異動の辞令が・・・

なんと異動先は多忙で有名の営業部。

結婚と同時に女性社員がことごとく辞職していくような部署へ

みみほこ
みみほこ

「みみほこが辞めそうだ」と人事が判断し、入社時に希望していた部署へ異動させれば阻止できるのではと考えたそう(退職時に人事から聞いた)


入社時と結婚した今では全く置かれている状況は違うが、私自身も「元々希望していたし、頑張ってみるか・・・」という思いが芽生え受けることにしました。



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職場に相談すべきか問題



ここにきて、今までのように融通がきくような部署ではなくなってしまった為通院の調整も難しく職場へ不妊治療をしていることを相談すべきか本当に悩みました。

不妊治療と仕事の両立を考えれば、「職場への相談」はメリットが大きい。

厚生労働省の「不妊治療と仕事の両立サポートハンドブック」にも職場への相談がベースにあり、理解と配慮を求めるために「不妊治療連絡ノート」というツールを設けています。

みみほこ
みみほこ

言っていることは分かるんだけどね・・・


それでもカミングアウトしたくない


メリットを分かった上で私は職場へ相談することが出来ませんでした。

その理由はこちら

  • 周囲に変に気を遣ってほしくない
  • 治療状況や内容を知られたくない(良いときも悪いときも)
  • 噂話の種にされたくない
  • 可哀想だと思われたくない


色々と列挙しましたが

みんなが「普通に」出来ることが出来ない、人として欠陥品と思われたくない。

そんな理由でした。



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先に悲鳴を上げたのは「こころ」だった



元々責任感が強い性格なこともあり、任されたことは全うしようと必死に不妊治療と仕事と家庭を両立するため頑張ってきました。

同じ部署内で退職者が出て毎日残業、家庭があるので難しいと伝えたにも関わらず企画チームに加入、心身ともに疲れ果てたとき。

親友の第二子妊娠報告、移植1回目の陰性判定。

「治療費のため、育児をする近い将来のため」と走り続けた結果、眠れなくなってしまいました。

どうして私ばかり上手く行かないんだろう・・・

明日が来るのが怖くなり、家に帰るのが怖くなり、気付いたら家へ帰れなくなっていた。


仕事を辞めたい。辞められない。


そんな状況になってもなお、辞める決断をすることが出来ませんでした。

終りが見えない不妊治療、お金が無くなるのが何より怖かった。


転職できない理由【育休制度】


転職も勿論考えました。

ただ育休制度については就業規則で「入社1年未満の者」を除外している企業は多く、妊娠をするために治療を続けているのに転職しても育休を取ることは難しく退職することが目に見えていて決断することが出来ませんでした。

みみほこ
みみほこ

通院も多く、入社早々休むなんて・・・
面接時に「不妊治療で休むことが多々あります」と言って採用されるとも思えなかった。
そもそも迷惑かけるかもと分かっていて決断出来なかった。



条件によっては取得出来る方法もあるようです




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「休職」という選択肢


そんな私の状況を見た家族が心療内科へ行くことを勧め、受診したところ「抑うつ状態」と診断されました。

それでも、「辞めれない」と何度も言う私にカウンセラーさんから「休職」という形を勧められました。

辞めなくていい、ゆっくり考えよう。とりあえず1ヶ月休職してまた考えよう


みみほこ
みみほこ

今考えればオカシイって分かるんだけど、当時は毎月20万の請求に「お金お金」ってなっていたの。

みみほこ夫
みみほこ夫

パニック状態になるまで正直深刻さが俺自身分かっていなかった。
その状態をみてもう辞めたらいいよって本当に思ったよ。




傷病手当金を受給する


このあと、会社にも休職の相談へ行くのですが「人に投げればいいから、大丈夫だよ!」の一点張りでした。

が、最終的には認めてくれ手続きをとってくれることになりました。

そこで案内されたのが「傷病手当金」です。

傷病手当金は、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、被保険者が病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。

「全国健康保険協会」病気やケガで会社を休んだとき


みみほこ
みみほこ

うっすーらしか知らなかったの。これで少しは安心かな?

金額も平均した月額の3分の2を受給することができます。(詳しくは調べてね!)



【私の選択】両立を諦める



最終的に、長期的なメンタルケアの後私は退職することを選択しました。

コロナによりリモートワークが職場でも進み、緊急事態宣言が明けても出社する必要がないよう配慮され、ゆっくり自分のペースで仕事が出来るよう復職の打診がありました。

この時移植6回目。

長引く治療に重なる治療費、うまい話だな・・・」と少し悩みましたが、とりあえずは貯金を切り崩しながらも進めていける治療。

自分の中で「もういいんじゃない?よく頑張ったよ」という気持ちが大きく、退職しました。


キャリアより治療、治療より健康



仕事が無ければお金もなく、お金が無ければ治療も出来ない。

治療が長期化すれば出費はかさみ、仕事にも影響するという悪循環。

何が正解なんだろう?

本当にこの問題って難しくて答えがない。

私の場合は有り難いことに主人が朝から深夜まで働き、なんとか貯金と給料で治療費を支払ってここまでやってこれました。

治療さえ上手く行けば贅沢とは言えないけど、ちょっとは好きなようにお金が使えて、治療さえ上手く行けば要らない喧嘩も減って・・・でも上手く行ってないからそんな「もしも」は考えても仕方ない。

とりあえず今治療ができる。

とりあえず今健康で夫婦ふたりで笑っていられる。


それだけで十分かな、と今は考えるようにしています。

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まとめ【治療と仕事の両立が難しく悩んでいる方へ】



今回、この記事を書こうと思ったのは「不妊治療 仕事 両立」と調べると大体「どう仕事を両立させるか」ってことが多く書かれているんですよね。

だから「頑張っても両立できなかった人の話」があっても良いのかな?と思って。

両立するには「こうするといいよ!」っていう的確なアドバイスも必要だけど、「私も無理だったよ」っていう体験談と共感があったら、あの時のわたしはもう少し救われたかも知れない・・・(んーきっと無理だろうけど)

「不妊治療か?仕事か?優先すべきは」

これ、本当に難題だと思います。

移植11回やって治療歴はまあまあだと思いますが、未だに答えは分からない。

そりゃ、治療も仕事もどちらも両立出来れば問題はないのだけれど。

現実は厳しかったりする。

ただ言えることは、退職するも仕事を続けるのもどちらも英断だと本当に思う。

あなたの決断は間違っていない。

両立できなかった私が言えることはこんなことだけ・・・

それでも、この記事が今苦しんでいる人のちょっとした救いになればいいな・・・そして今抱えている問題が少しでも解決しますよう願っています。

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