2022年4月より不妊治療は保険適用化され、患者の経済的な負担は大きく軽減されました。
地域によっては引き続き助成金を受けることができたり、また加入している医療保険によっては不妊治療に伴う手術等で手術給付金が受け取れたりと今までの高額なイメージによって躊躇していた人にとってはずいぶん身近な存在になりました。
しかし、年齢や回数、また治療内容による一部の検査等は未だ保険適用外の自費診療となっており、まだまだ経済的な不安が残っているのが現状です。
保険適用内で妊娠できるのかな?
保険と言っても出ていく支出は大きい。もし6回のうちにできなかったらもっと増えるし・・・そもそもいつまで続くんだろう。仕事の両立も大変。将来が不安だ。
今回は、こんな不安についてお答えしていきます!
この記事を書いている私は妊活歴2年半、その内約2年人工授精や体外・顕微受精などの不妊治療をしています。
本記事では、私が実際に行ってきた「不妊治療の高額な医療費における経済的不安」を減らす3つの方法についてご紹介していきます!
「お金の不安」を減らす3つの方法
まず質問です。
大半の不妊治療患者にとって答えは「YES」だと思います。
不妊治療は保険適用になったといっても高額です。
私たち夫婦の場合、保険適用前でしたので妊娠するまで約600万円かかりました。
不妊治療を続けている限りこの経済的不安は拭えません。
では、どうすればこの不安を解消することができるのか?
1番の解決策は治療を辞めること。
治療を辞めればその不安も解消するでしょう。
ただそれは私たち夫婦が望んでいることではありません。
そんな私たちのように治療をやめず、この不安を解消しながらうまく不妊治療と付き合っていく方法。
私たち夫婦が辿り着いた「お金の不安を減らす3つの方法」です。
- 高額療養費制度を利用する
- 医療費控除を活用する
- 固定費を見直す
お金の不安を減らす方法とは「国や地方自治体からの援助を最大限に利用し、家計の固定費を見直すこと」。
私が長年治療を続けていて誰でも簡単にできる方法は結論この方法しかないと思っています。
もちろん「収入を増やす」といった方法もあるのかもしれません。
しかし不妊治療は月経周期に大きく左右されるため、頻繁にクリニックへ通院しなくてはいけません。
そんな中で収入を増やすことは難しいと私自身感じているからです。
ですので、今回は「援助を活用し、いかに支出を抑えるのか」にフォーカスをしていきます。
高額療養費制度を利用する
「高額療養費制度」をご存知ですか?
高額療養費制度とは、1ヶ月の間に支払った医療費の自己負担額が上限(年齢や所得によって異なる)を超えた場合、その超えた分を払い戻しできるという制度です。
例えば、70歳未満で年収370万から770万円の場合、上限額は8~9万円程度になる見込みです。
詳しく見ていきましょう。
32歳、年収500万円です。
今月の治療費が10万円を超えました・・・
この方の場合は自己負担限度額は約80,000円。
高額療養費制度を利用した場合、約2万円の給付が受けられます。
こういった制度を利用すれば高額な医療費を抑えることができます。
これらの詳しい条件や手続きにはご加入の各健康保険組合にお問い合わせください。
利用できるものはどんどん使おう!
知らないまま損することがないようにしたいね。
医療費控除を活用する
まず医療費控除とは
その年の1月1日から12月31日までの間に自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合において、その支払った医療費が一定額を超えるときは、その医療費の額を基に計算される金額の所得控除を受けることができます。これを医療費控除といいます。
国税庁https://www.nta.go.jp/index.htm
難しく書いてありますが、簡単にお話すると「1年間払った医療費が10万円を超える場合、確定申告により所得税が還付される」ということ。
所得税?還付?と思う方もいらっしゃると思います。(私がそうだったので・・・)
もっと分かりやすく説明すると
【その1年払った医療費が確定申告することによってお金が返ってくる】ということ。
確定申告と聞いて、「聞いたことあるけど、なんだか面倒くさそう」と会社員の世帯だとそう感じてしまう方がいらっしゃると思います。
大丈夫です、簡単でした!
税金について、よく分かっていない知識0の私でも1時間の所要時間で申告できて無事受け取れたので、誰でも問題なく申告できるかと思います。
ここで気になる確定申告により返ってくる金額ですが、2020年は約21万円の還付金を受け取ることができました。
所得税は還付され、住民税も節税できるよ!
固定費を見直す
毎月高い治療費でヒーヒー言っているのに実は無駄な出費があったなんてことありませんか?
保険適用になったからといっても不妊治療の治療費はそれでも高額です。
1ヶ月の通院で数万円なんてこともザラじゃありません。
その数万円を家計から捻出する為夜遅くまで残業し、それによってホルモンバランスを崩すなんてことは本末転倒です。
生活する上で必ずかかる固定費ですが、もしかしたら生活費を削減できるかもしれません。
固定費の見直しのメリットは、その月によって変動する治療費と違い、「1度の見直しで毎月の出費が長く抑えられるところ」です。
削減できるポイントはないのか、必ずチェックしましょう!
- 住居費
- 水道光熱費
- 通信費
- 自動車維持費
- 保険料
ただこの【固定費の見直し】、簡単のようで本当に難しいですよね・・・
実際私たち夫婦も煩わしく感じていて、「わかんなーい!」とその作業を全てプロに丸投げしました。
やった方がいいのは分かるんだけど、面倒だしよくわかんない!
誰かやって!
ファイナンシャルプランナーに相談してみた
正直自分たちが今払っている固定費が安いのか高いのか判断がつかない。
夫婦ふたりとも面倒くさがりな性格もあり、
「見直せるところはあるだろうけど面倒だし・・・」
と思っていたところクリニックからファイナンシャルプランナー無料相談会の用紙を貰い参加したことが【固定費】を見直すキッカケになります。
こういった相談会は夫婦二人共初めてだったのでビクビクしていましたが、そんな心配も必要なく丁寧で分かりやすくお金のプロが固定費の見直しをしてくれました。
その他にも、実際に我が家の現在の状況(家族構成・収入支出・ローンや保険内容・貯蓄状況など)から、私たちの思い描くライフプランに今後大きな問題が発生することはないのかなど分析してくれます。
そして、そこに問題があった場合「どうしたらその問題が解決できるのか」根拠ある具体的なアドバイスをいただくことができます。
それは経済的不安を抱えている私たちにとって大変心強い存在でした。
最近は不妊治療で医療保険おりることも多いから、保険金がおりるところへの乗り換えも検討するといいかも!
そんな私達夫婦が受けた無料相談会の体験談について詳しく書いているのでこちらもぜひ!
まとめ
不妊治療を続けていく限り【お金の不安】はずっと付きまといます。
始まった不妊治療の保険適用化。
それでも回数制限や年齢制限があり誰でも永遠に援助してくれるわけではありません。
いつかの日を夢見て走り続けるためにも、「固定費の見直し」は最優先事項です。
私自身「不妊治療で借金は・・・」と思うこともありますが、不妊治療は一時的なものと考え資金繰りが難しいようであれば銀行の【不妊治療専門ローン】も視野に入れても良いかもしれません。
不妊治療はゴールが見えませんし、お金がみるみるうちに消えていく博打のようなものです。
それでも信じて進むのか。
お金か、年齢かどこを治療の終わりとするのか、正解はありません。
言えることは、妊娠には年齢制限があるということです。
後悔のないようみなさんが治療を続け、いつか子供をその手に抱ける日が来ることを祈っています。